明日はちゃんと笑いたい





ふと目の前の芝居に夢中になって
気が緩んだ瞬間

涙が出そうになった。



別に、明日で終わりということを考えたわけでも
何かそういう、涙が出るきっかけになることを思ったわけでもなかった。


でもきっと
心のどこかにいつもその不安や淋しさはあって
ふと張りつめていたものが緩んだ瞬間に
溢れ出しそうになったのだとおもう。



だって
とてもとても好きな貴方が
明日で辞めてしまうから。


この、いま上演している作品が
最後だから。



きょうの貴方は
とても輝いていて
今まで観た中で1番よかった。

だから余計おもってしまうんだ。
まだまだここで貴方を観たい、と。
そして
辞めるなんてほんとはウソなんじゃないかと。


それでもやっぱり現実は変わるわけなくて
貴方が辞める現実は
変わらずそこにあって

わたしはとても泣きたくなる。



でも、わたしが泣いてたら
貴方は新しいスタートラインに立てないよね?


だからあしたは
公演中は泣いちゃうかもしれないけど
貴方の前では泣かないよ。


あした、貴方をこの目に焼きつける。
ぜったい忘れないように。
いつでも思い出せるように。